精神保健福祉士とは、精神障がいを持った人に特化してサポートを行う専門家のこと。精神障がい者がスムーズに日常生活を送れるようにサポートします。
でも「どんなところで働くの?」「どうやったら資格が取れるの?」と分からないことが多いですよね。
そこで、この記事では精神保健福祉士について詳しくご紹介。仕事で活かす方法や資格を取る方法について解説します。
ぜひ参考にしてくださいね。
目次
精神保健福祉士とは?どんな資格?
精神保健福祉士とは、「精神障がい者」に特化して支援を行う専門家のこと。1997年に誕生した国家資格で、別名「精神科ソーシャルワーカー(PSW)」とも呼ばれています。
精神的に障がいを持っている人がスムーズに日常生活できるようにサポートしたり、社会生活に参加できるように支援を行うのが仕事です。
日本では先進国にも関わらず、精神障がい者に対する社会参加支援の取り組みが長年遅れていました。2005年になって障害者自立支援法が制定されたことから、ようやく精神障がい者も一市民として社会で暮らすための支援が打ち出されるようになったのです。
「高ストレス社会」と呼ばれる今、心の病を持つ人たちは今後も増えていくと言われています。医療や保健、福祉につながる「精神保健福祉士」の需要は急速に高まっていくでしょう。
それでは、精神保健福祉士はどんなところで働くのでしょうか?
どんなところで働くの?
精神保健福祉士は、主に次のようなところで働きます。
・医療現場:精神科病院、総合病院の精神科、メンタルクリニック
・行政機関:市役所(障害福祉課)、ハローワーク
・司法施設:保護観察所
・福祉施設:障がい者施設、老人ホーム、児童相談所
・その他:企業、学校
精神保健福祉士が一番活躍する場所は、「医療現場」です。精神障がいを持つ人々の入院サポートや、退院後の社会復帰支援などを行います。また、医師や臨床心理士との調整役も仕事の一つです。
「行政機関」では、精神障がい者に対する支援の手続きや地域の現状分析、将来を見通した支援事業の計画に関わります。「司法機関」では、心神喪失の状態で他害行為を行った精神障がい者に対して、社会復帰プログラムを行うのが仕事です。
福祉施設では、施設の種類によって仕事が変わってきます。障がい者施設では、日常生活の訓練や就職活動に対するアドバイスをするのが仕事です。ときには家事の基本動作を一緒に行うことも。老人ホームでは、高齢者やその家族に対しての相談業務をしています。
そして「児童相談所」では、「児童福祉司」として子どもたちを支援するのが仕事です。児童相談所の相談件数はどんどん増加しているため、どの自治体でもニーズは高まっているでしょう。
他にも、学校でメンタルヘルスに関する相談援助を行う「スクールソーシャルワーカー」として働いたり、会社の中で職場ストレスやうつ病対策を考えたり、職場復帰のための支援を行う会社で活躍することも。
このように、精神保健福祉士の職場はたくさんあるのです。
保育士が精神保健福祉士の資格を取得するメリット
それでは、保育士が精神保健福祉士の資格を取得すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?
1.保育士の資格と合わせて活用できる
保育士が精神保健福祉士の資格を取得すれば、子どもにも大人にも適切な支援をすることができます。
例えば、児童福祉施設や保育所、発達障害児支援施設で、情緒的な病気を持つ児童や発達障害の子どもたち、保護者たちのメンタルケアなど、あらゆるカウンセリングができるようになるでしょう。
2.キャリアの道が広がる
精神保健福祉士の職場は、行政機関や福祉事務所、ハローワーク、企業内ソーシャルワーカー、スクールソーシャルワーカー、保護観察所など、とても幅広くなります。保育園以外にも、キャリアの道が広がることは大きなメリットです。
それでは、精神保健福祉士の資格を取得するにはどうすればいいのでしょうか?
精神保健福祉士の資格を取るには
精神保健福祉士になるためには、次のような条件を満たした上で、国家試験に合格しなければいけません。
・福祉系大学で指定科目を履修し、卒業する
・福祉系の短大を卒業して、実務を1年~2年経験する
・一般の4年制大学や短大を卒業した後、精神保健福祉士一般養成施設を卒業・修了する
受験資格取得には全部で11パターンあるので、受験をする前によく確認しておきましょう。
大学や専門学校で学ぶときは、通学だけではなく、通信で受けられる講座もあるので、仕事を続けながらでも受講することが可能です。また、職場によって保育士の仕事が「実務経験」として認められるケースもあります。その場合、一部の単位や実習を免除することもできるので、すぐに受験資格を得ることも可能です。
該当する職場かどうかは、こちらのホームページで確認してみてください。
http://www.sssc.or.jp/seishin/shikaku/se_09.html
精神保健福祉士試験が行われるのは年に1回、1月下旬~2月上旬です。17科目で構成される筆記試験に合格すれば、精神保健福祉士登録簿に登録されます。
合格率は62.0%と中程度の難易度なので、しっかり勉強すれば合格も難しくないでしょう。
まとめ
精神保健福祉士について、仕事で活かす方法や資格を取る方法について紹介してきました。
精神保健福祉士は、精神障がいを持つ人々が日常生活をスムーズに送れるようにサポートする専門家のこと。高ストレス社会の中で、心に悩みを抱える人が増えている今、ニーズが急速に高くなっています。
支援の対象は子どもから大人まで。活躍できる分野も幅広いので、さまざまな職場で働くことができるでしょう。
「心の病気に悩む人々を救いたい!」という人は、ぜひ資格取得を目指してくださいね。