子どもの褒め方が分からなくて、悩んでいませんか?
「何か言わなくちゃ!」と焦ってしまうと、「上手だね」「よくできたね」といつも同じフレーズを言ってしまいがち。
実は、このような褒め方をすると、子どもの「自己肯定感」を下げてしまうことがあります。しかし、「でも、いざとなると言葉が出てこない」「どうやって褒めるのが正解なの?」と困ってしまいますよね。
そこで、ここでは保育士が知っておきたい「子どもの褒め方」について、とことん解説。子どもを褒めるときのコツや、絶対に言ってはいけない言葉などを詳しく紹介します。
この記事を読んでおけば、「褒め言葉」に悩むことはありません。ぜひ参考にしてくださいね。
目次
褒め方で、子どもの成長は変わってくる
子どもを褒めて育てることは、子どもの自己肯定感を高めます。
自己肯定感とは、「僕ならできる」「私ならきっと大丈夫だ」と自分自身を受け入れ、信じることができること。自己肯定ができる子どもは、「大変だな」と思うイベントが起きても、自分自身を励ましてチャレンジすることができます。
一方で褒められなかったり、間違った褒められ方をしてしまうと、子どもは自信を持てなくなることに。さまざまな問題が起きても、子どもが自分の力で乗り越えられるようになるには、保育士や保護者の褒め方がとても大切なのです。
ここからは、子どもの褒め方について知っておきたい以下2つについて見ていきましょう。
・子どもを伸ばす褒め方のコツ
・絶対に言ってはいけないフレーズ
子どもを伸ばす褒め方のコツ
子どもを褒めるときには、次の6つのことに気をつけましょう。
目を見て褒めよう
子どもを褒めるときは、目を見て褒めるようにしましょう。目と目が合うことで、子どもは「あ、自分に向かっていってるんだな」と認識できます。
一方で、目が合わないと「本当にそう思ってるのかな?」と不安になってしまうもの。言葉だけでなく、態度にも気をつけましょう。
具体的な内容で褒めよう
子どもを褒めるときは、できるだけ具体的に褒めるようにしましょう。具体的に伝えることで、子どもは「褒められたということは、これは良いことなんだ」と学ぶことができます。すると、積極的に行動できるようになるのです。
例えば、「自分から片付けしてくれて、助かったよ」「昨日よりもはやく服を着替えられたね」と伝えましょう。
ただ「えらいね」「上手だね」と伝えても、子どもには「何が良かったのか」が伝わりません。子どもが自分から動けるように、具体的に褒めてあげましょう。
褒めるときはすぐに褒めよう
子どもを褒めるときは、すぐに褒めましょう。時間が経ってから褒めると、子どもの中で「あ、褒めてもらえた。うれしい!」という感覚が薄くなってしまいます。
なるべくその場で時間をおかずに褒めてあげましょう。
結果だけでなく、過程や努力も褒めよう
子どもを褒めるときは、結果だけでなく過程(努力)も褒めてあげましょう。結果しか褒めないでいると、良い結果を残せなかったとき、子どもはその事実を受け入れられません。そして、褒められたいがために「良い結果だったよ!」とウソをついてしまう可能性があります。
例えば、かけっこをしていて転んでしまった子どもがいたとしましょう。そのとき「がんばったね」だけでなく、「途中で転んでも、あきらめずに最後まで走りきったね。かっこよかったよ」と伝えます。
子ども自身が、「あ、僕はがんばったんだ」と自覚できるように声をかけるのが大切です。
誰かの前で褒めてみよう
子どもを褒めるとき、友達や保護者の前で褒めるのも効果的です。第三者の前で褒められると、子どもは「みんなに認められた!」という思いが強くなります。
ただし、子どもによっては「恥ずかしいからイヤだ…」というタイプも。子どもの性格に合わせて行いましょう。
メダルや表彰状で、褒められたことを「形」に残そう
子どもを褒めるとき、形に残るものを使うのも良いでしょう。形にすることで、「あのとき褒めてもらえた」という感覚を持続できるからです。
例えば、時間以内に片付けができたら、子どもが好きなシールを渡すのも効果的。ある程度たまってきたら、表彰状やメダルを手作りにして渡すのも良いですね。
当たり前のことでも、継続していることを褒めよう
「何か言ってあげたいけど、何を褒めよう…」と困ることはありませんか?そんなときは、「できて当たり前」になっていることを褒めてあげましょう。
何かできるようになった最初の頃は、それだけで褒められていたはず。しかし、そのまま「できて当たり前」と認識してしまうと、「褒めるほどではない」と思ってしまうのです。
例えば、毎日あいさつをしている子どもがいたら「毎日元気よくあいさつしてくれて、先生うれしいよ」と伝えましょう。目立たないことでも、継続していることに気づくことが大切です。
気をつけて!絶対に言ってはいけないフレーズ
ここでは、子どもを褒めるときに言ってはいけないフレーズを3つご紹介します。
子ども同士を比較する:○○ちゃんよりすごいね
子どもを褒めるとき、子ども同士を比較して褒めるのは良くありません。なぜなら、子どもに「勝てば褒められる」という考え方が定着してしまう可能性があるからです。
すると、よけいな競争意識を持つ子どもになってしまいます。とくに「あの子は僕よりも優秀だ」と感じたとき、劣等感を覚えやすくなることも…。
また、比較された子どもも良い気分にはなりません。
比較するのなら別の子どもではなく、子ども本人の過去と比べましょう。「昨日よりもはやく服を着替えできたね!」と成長していることが分かるように褒めるのがベストです。
子どもを動かすために褒める:すごい!そんな○○くんなら、これもできるよね?
子どもを動かすために、褒め言葉を使うのはやめましょう。続けて行くと、「先生に褒められるために、何かをする」子どもになってしまいます。すると、先生がいないところでは自分から動けない子どもになることに…。
また、勘が鋭い子どもは「あ、本当は褒めてないな…」と下心に気づくこともあります。
どうしても子どもに動いてほしいときは、「○○してくれたらうれしいな。」とお願いしましょう。大人からの「お願い」や「ありがとう」という気持ちを伝えることで、子どもたちにその行動の価値を伝えることができます。
「人に喜んでもらうと、私もうれしい!」という感覚を知ることで、自ら行動できるようになりますよ。
子どもの作品に対して、一方的に評価する:絵が上手だね
絵や工作など子どもの作品を褒めるとき、評価するような言葉は言わないようにしましょう。大人が一方的に「上手だね」と評価してしまうと、子どもが自分で判断する機会を奪ってしまいます。
まずは、子どもの作品をただ観察するようにしましょう。そこから、子どもが自分で作品を評価して、誰かに伝える機会を作ります。例えば、「ここの部分は、どうやって作ったの?」「この色は、何色と何色を混ぜたの?」と声かけしましょう。
子どもの創造性も育てることができますよ。
まとめ
子どもの褒め方について、説明してきました。
褒めることは、子どもが生きていく上で大切な「自己肯定感」を高めます。しかし、褒め方や褒め言葉を間違えると、自己肯定感を下げることに。
そのため、子どもの発達に大きく関わる保育士にとって、褒め方を知っておくことはとても大切なのです。子どもが自信や創造性を持てるように、褒め方はしっかり勉強しましょう。
ぜひこの記事を参考にして、子どもたちに愛される素敵な保育士になってくださいね。