後輩の指導に悩んでいませんか?
とくに初めて後輩を指導するときは、「今でも戸惑うことがあるのに、自分にできるのかな?」と不安になってしまうもの。実際、一緒に働き始めると「どうして何度も注意してるのにできないんだろう?」「もう指導するのがしんどい…」とうまくいかなくて落ち込んでしまうことも。
後輩をしっかり指導するためには、心構えと指導のポイントを知っておくことが大切です。
ここでは、後輩と接するときのコツをとことん解説。すぐに実践できる指導や、絶対にしてはいけない注意点も紹介します。
後輩の指導で悩んでいる方は、ぜひ見てくださいね。
目次
後輩を指導するときの心構えは2つ
まず、後輩を指導するときには、次の2つの心構えをしておきましょう。
これらを意識しておけば、初めてでもしっかり後輩を指導できます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.後輩の性格を知る
後輩を指導する立場になったら、まずは後輩の性格を理解しましょう。性格によって、指導方法が変わってくるからです。
例えば、要領がいいタイプの保育士には少し注意しただけで、次からどうすればいいのか理解ができます。一方、厳しく注意すると、どうすればいいか分からなくなってしまうタイプの保育士も。そのときは、良いところを伝えながら、課題に目を向けさせるなど、違う方法で指導します。
性格が一人ひとり違うように、指導方法も一人ひとり変えていくことを意識しましょう。
2.自分が新人だったとき、どんな先輩が好きだったか考える
後輩を指導することになったら、自分が新人だったとき、どんな先輩が好きだったのか考えてみましょう。理想の先輩を意識することで、自分自身の行動も変えていくことができます。
まずは、どんな先輩になりたいか書き出してみましょう。
次に、そんな先輩になるためにはどうすればいいのかを考えます。
いきなり理想の先輩になることはできません。しかし、意識して行動するのとしないのでは大違いです。自分が後輩から見て、どんな先輩になりたいのかしっかり考えましょう。
このように後輩を指導するときは、先輩としての心構えをしておくことが大切です。それでは次に、後輩への指導方法を具体的に見ていきましょう。
後輩や新人保育士を指導するときの6つのコツ
後輩や新人の保育士を指導するときは、次の6つのポイントに気をつけましょう。
それぞれ紹介していきます。
1.指示は具体的に出そう
後輩に何か指示を出すときは、できるだけ具体的に伝えましょう。「ちゃんとして」のようにあいまいな指示だと、細かいところまで指示が伝わりません。また「分からないことある?」という質問だと、答えの範囲が広すぎて「大丈夫です」としか返事ができなくなってしまいます。
例えば、「本は本棚に片付けておいてね」と簡単で分かりやすい内容を伝えましょう。「○○はどう?やり方分かる?」と具体的に聞いてあげることも大切です。また、最初の内は専門用語をなるべく使わないという方法もあります。
他にも、一度にたくさん指示を出すのではなく、一つ一つ区切って指示を出すようにしましょう。どうしても複数の指示を出さなくてはいけないときは、「メモを用意しておいて」と聞きもらさないように配慮してあげると良いですよ。
2.「見て学べ」は不親切、リードしてあげよう
後輩を指導するときは、ある程度はリードして教えてあげましょう。「先輩の後ろ姿を見て学ぶ」という方法もありますが、右も左もわからない新人に求めるのは酷なもの。適切なリードがあることで、結果的に後輩も早く独り立ちできるようになります。
例えば、後輩がしている仕事を見て「こっちを先にした方が楽だよ」とアドバイスしてあげましょう。ただし、「自分がやった方が速いから」と先輩である自分が仕事を全部済ませてしまうのはNG。後輩が成長する機会を奪ってしまいます。
適切なリードをしつつ、後輩の成長を見守ることも大切です。
3.自分から積極的にコミュニケーションをとろう
後輩と距離を近づけるためには、自分から積極的にコミュニケーションを図りましょう。人は会話する回数が多くなるほど、好感度を抱きやすいもの。コミュニケーションを多くとることで、後輩に信頼されやすくなります。
例えば、休憩時間を利用して話しかけてみましょう。「そのエプロンどこで買ったの?」「お弁当箱かわいいね」と話題を広げていきます。自分の話ではなく、後輩の話を聞き出すように会話をするのがポイントです。
また、会話をするときは後輩の方に体を向けて話しましょう。話を聞いていても、顔がそっぽを向いていたり、仕事の手を止めないままだと「私に興味ないのか」と思われてしまいます。会話をするときは忙しくても手を止めて、後輩としっかり向き合ってコミュニケーションを取りましょう。
4.後輩が失敗したときは、必ずフォローも入れよう
後輩が失敗してしまったときは、注意だけでなく必ずフォローも入れましょう。誰でも初めての仕事は、理想と現実のギャップで自信を失いやすいもの。ただ注意するだけだと、追い打ちをかけてしまうことになります。
まずは、今できていることを認めてほめてあげましょう。「しんどいことがあっても、子どもの前ではちゃんと笑顔だね」「読み聞かせが前よりずっと上手になったよ」と小さなことでもかまいません。
「失敗した…」と後輩が落ち込んでいたら、少しずつ自分からチャレンジできるようにフォローしてあげましょう。
5.良い行動をしたら、すかさずほめよう
後輩が何か良い行動をしたら、すかさずほめてあげましょう。人は、ほめられたことは何度でも繰り返したくなるもの。後輩のやる気を保ちつつ、成長も促すことができます。
例えば、「今の声かけ、すごく良かったよ。◯◯ちゃんもうれしそうだったね!」「すかさずイスを支えてくれてありがとう。周りをよく見てるね。」と具体的にどこが良かったのか伝えます。
誰でも、ポジティブな言葉をかけてくれる人を信頼しやすくなるもの。その場ですぐ行動をほめることで、後輩との関係をより良くできますよ。
6.どうしても解決しないときは、園長や主任に相談しよう
保育士の中には、何度注意しても勤務態度を変えなかったり、保育方法に問題がある人もいるもの。どうしても解決しないときは、園長や主任など役職がある人に相談しましょう。
自分1人で抱え込んでしまうと、予期せぬトラブルで自分だけに責任がかかってしまうことがあります。
とくに、子どもへの対応に問題があるときはすぐ相談しましょう。保育士は、子どもの命を預かる仕事です。大切な子どものためにも、自分だけでは限界だと感じたら周りの人を頼りましょう。
以上が、後輩を指導するときに気をつけるべきポイントです。ただし、指導するときには、絶対にやってはいけないNG指導もあります。最後に、先輩として「絶対にやってはいけない指導」を紹介します。
絶対にやってはいけない3つの指導
後輩保育士への指導で、絶対にやってはいけない指導は次の3つです。
それぞれ詳しく見てきましょう。
1.性格を否定する
後輩を指導するとき、性格を否定するのはやめましょう。「これだからダメなのよ」と性格を否定されると、「すみません」としか返せません。人は意見を言えないような叱り方をされると、「私の意見なんて聞いてもらえない」と一気に信頼感を失ってしまいます。
叱るときは、「ミスが起きてしまった原因は何だと思う?」というように冷静に問いかけましょう。新人保育士が、自分自身でミスの原因を考えられるような叱り方をすることが大切です。
2.長時間怒る
後輩がミスをしたとき、長時間怒るのはやめましょう。長々と注意をしても、後輩の心には残りません。逆に「もう聞きたくない」と心の耳を塞いでしまうことも。
何か注意するときは、必要なことをスパッと簡潔に伝えましょう。「あのときもこうだったよね?!」と過去のことをひっぱり出して、ダラダラと注意するのも良くありません。
注意が終わったら、次の仕事に切り替えましょう。
3.他人と比較する
後輩を指導するとき、他人との比較は絶対にしてはいけません。他人と比較されても、決して良い気分にならないもの。
とくに、「同期のあの子はできてるのに、なぜあなたはできないの?」なんて言うのは絶対NG。「周りよりも遅れてるぞ」と感じさせるのは新人に劣等感を与えてしまいます。「どうせ頑張っても無駄だ」と、やる気をそいでしまうので絶対にやめましょう。
まとめ
後輩保育士や新人保育士への、指導方法について紹介してきました。
後輩保育士は、子どもたちがイキイキと成長できるよう、一緒に協力する「仲間」。上下関係だけでなく、仲間として信頼関係を作ることが大切です。
指導をきっかけに、信頼関係を作っていくことで、お互いにのびのびと仕事しやすい環境を作っていきましょう。
誰でも最初は初心者です。ベテランと呼ばれる先輩たちも、最初は緊張しながら後輩と接してきました。そのときのベストは何か、後輩はどんな気持ちなのか常に考えていくことで乗り切っていき、いつしか「頼りがいのある先輩」と言われるようになるのです。
ぜひこの記事を参考にして、素敵な先輩保育士になってくださいね。