子育てと保育士を両立できるか不安になっていませんか?
出産や子育ては、保育士が退職する理由の1つ。仕事の多さから、家庭と仕事を両立できないと感じることが多いのです。
それでも家族のため、自分のために出産を経験したら仕事に復帰したいと思うかもしれませんね。
ここでは、保育士が子育てと仕事を両立するコツをご紹介。子育て中の保育士をサポートする制度もご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
子育てと保育士を両立するのは難しい…と答えた人は約40%
転職支援サービス会社「ウェルクス」が行ったアンケートによると、「子育てと仕事を両立するのは難しい」と回答した保育士は、約40%。なかでも、「子育てと両立できる仕事量ではないから」という意見が多く見られました。
一方で、厚生労働省によると、14年以上働いている保育士は私立保育園で20.2%、公立保育園では40.4%。つまり、保育士の20%〜40%は、家庭とも両立しながら仕事をしていると類推できるのです。
それでは、家庭と仕事を両立している保育士は、どのような生活をしているのでしょうか?
子育てと保育士の仕事を両立するために必要なこと
ここからは、子育てと保育士の仕事を両立するためにできることを具体的に見ていきましょう。
持ち帰り仕事をなくそう
子育てと保育士の仕事を両立するためには、持ち帰り仕事を少しずつなくしていきましょう。持ち帰り仕事は、定時までに終わらせられなかった仕事です。この持ち帰り仕事をなくしていけば、子育てと仕事を両立しやすくなります。
例えば、残業する日としない日を決めましょう。「絶対に19時に帰る!」と決めておけば、「じゃあ18時半には帰る準備を進めよう」と段取りを決めることができます。
「どうせ何時間残業しても変わらないしな…」という思考のままでいると、だらだらと仕事をしてしまうもの。効率よく仕事をするためにも、「残業しない」という意志を持つようにしましょう。
他にも、持ち帰り仕事をなくす方法はこちらの記事で解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
子育てに適した働き方を選ぼう!
子育てと仕事を両立するには、自分の子育てにあった働き方を選びましょう。優先順位に合わせて働き方を決めておかないと、後に「全然お金が足りない…。」「今日ははやく帰らないといけないのに…」と自分を追い詰めることになってしまいます。
例えば、子育てに向いている働き方には、次のような種類があります。
時短正社員
時短正社員とは、4時間~6時間という短い時間で働く正社員のこと。フルタイムで働くよりも少しお給料は減ってしまいますが、はやく家に帰ることができます。
子どもが3歳になるまでや、小学校に入るまでなど期間を限定して、一時的に時短正社員になるケースが一般的です。
ただし、保育園によって、時短正社員を設定しているところとしていないところがあります。時短正社員として働けるかどうかは、保育園に確認してみましょう。
子どもが小さい内はフレックスに働き、子育てが落ち着いたらバリバリ働きたいという方にオススメです。
パート・アルバイト
パートやアルバイトは、自分のライフスタイルに合わせて柔軟な働き方ができます。その代わり、お給料は正社員よりも低く、雇用も不安定です。
また、仕事量も限られており、保育補助やフリーで働くのが基本になります。責任者ではなくなるため、心理的な負担は軽くなりますが、保育士の仕事が大好きだった人には物足りなく感じるかもしれません。
公務員保育士
公務員保育士は、自治体の試験を受けて合格した「地方公務員」です。育休の制度が整っているため、長期的に休むことになってもパートさんや臨時の保育士がいるので、「忙しいときに、自分だけ休むなんて…」という後ろめたさがありません。ひんぱんに休むことになっても「おたがいさまだよ」と受け取ってもらえます。
ただし、公務員保育士になるためには高倍率の試験に合格しなければいけません。試験も年に数回しかないので、狭き門と言えるでしょう。
子どもと同じ園で働く
「自分の子どもを人に預けて、誰かの子どもを保育するなんて矛盾してないかな…」と感じる方には、子どもと同じ園で働くという方法もあります。
同じ保育園にいたら、次のようなメリットがあるからです。
・子どもの様子がよく分かる
・すぐお迎えに行ける
・子どもの体調が悪い時に早退やお休みしやすい
ただし、保育園の中にはタブーにしているところもあるので注意してくださいね。タブーの理由として、保育園で顔を合わせると「先生と園児」ではなく「ママと子ども」になってしまう点があります。
子どもと同じ保育園で働ける可能性があるのは、次のような保育園です。
・無認可保育園であること
・複数の姉妹保育園があること
無認可保育園は、保育園と保護者が直接契約を結びます。保育園が保護者を選ぶことができるため、園長からOKが出たら子どもと同じ園で働けるのです。
また、いくつかの姉妹保育園を経営しているのであれば、ママはA園で子どもはB園と顔を合わせないように配置できます。
ぜひ検討してみてください。
子どもが病気のときの対応策を数パターン用意しておこう
子育てしながら働くときは、子どもが病気になったときの対応策をいくつか考えておきましょう。
自分が働くとなると、基本的に子どもは保育園に預けることになります。そのとき、ネックになるのが子どもの病気。とくに小さい子どもは熱を出しやすく、何度も保育園をお休みしなくてはいけないことも。
快くおやすみさせてくれる職場もありますが、ひんぱんに仕事を休んでしまうと、少し気まずくなってしまいますよね。
そこで、子どもが病気になったときの対応策をいくつか考えておくと、あわてずにすみます。例えば次のように準備しておきましょう。
・家族や、自分の両親に協力してもらう
・病児保育に登録する
最近は、共働きやシングルマザーのためのサービスも増えてきています。できるだけたくさん検討しておくと安心できますよ。
家族に協力してもらう
子育てと保育士を両立をするためには、家族にも協力してもらいましょう。どんなにがんばっても、自分一人の力では限界があるからです。
例えば、「行事があるときは、1週間前から帰るのが遅くなる」など、仕事の内容をしっかりと家族に共有します。
お互いに仕事について理解しておけば、お互い協力しやすくなるもの。家族みんなで助け合えるように、しっかりと説明しておきましょう。
時間を節約できるテクニックを使おう
子育てと保育士するためには、家事の時間を短くする工夫をしましょう。仕事で疲れた体では、たくさんの家事を並行することが厳しいからです。
例えば、炊飯や洗濯はタイマーを活用しましょう。朝起きたら洗濯も炊飯も終わっている状態にしておけば、朝ゆっくりできます。
また、食材を買うときは、宅配サービスを利用するのも方法の一つ。素材を自分で選ぶこともできますが、オススメは献立に必要な食材と調味料がセットになっているものです。
次のような会社で利用できるので、試してみてください。
・おうちコープ
・Oisix(オイシックス)
・ヨシケイ
子育て中の保育士にうれしい支援制度
最後に、子育て中の保育士にうれしい支援制度について紹介します。
小学生以下の子どもの保育料を一部貸付
子育てと仕事を両立したい保育士は、「子どもを預けて仕事したいけど、保育料が高い…」と悩んでしまうもの。
そんな保育士のために、「小学生以下の子どもの保育料」を一部貸付してくれる制度ができました。貸付なのでお金は返さないといけませんが、2年間勤務すれば返済は免除されます。
保育料が高さがネックになっている保育士にとって、うれしい制度ですよね。
再就職準備金の貸付
一度は子育てのために辞めてしまったけれど、「やっぱりもう一度働きたい!」という保育士のために、「再就職するために必要なお金」を貸してくれる制度があります。
例えば、保育園の近くに引っ越すためのお金や、働くときに必要になるエプロンなどの用品代が対象です。こちらも2年間勤務すれば、返済は免除されます。
「働きたいけど、家の近くに働けそうなところがないな…」と悩んでいる方は、利用してみましょう。
このように、子育て中の保育士のための制度は増えてきています。自分や家族のためにも、積極的に利用してみましょう。ただし、金額や細かい制度は自治体によって変わってくるので、ホームページをチェックしてくださいね。
まとめ
子育てと保育士の仕事を両立するために必要なことについて、紹介してきました。
保育士が子育てと仕事を両立するために1番大切なことは、職場と家庭の環境を整えることです。
仕事をしやすくするためには、家庭のことを効率よくすませたり、家族の協力が不可欠。一方で、家庭のこともしっかりフォローするには、職場での協力が必要になります。
子育てと仕事の両立は、頭で考えているよりも大変なもの。仕事でのストレスだけでなく、子育ても思い通りにいかないことが多いのです。
そのため、まずは「全て完ぺきにする」という考えから離れるようにしましょう。ほどよく手を抜いてやる方が、結果としてうまくいきやすいもの。
子育ても仕事も楽しみながら、笑顔で毎日を過ごしてくださいね。