院内保育所とは、病院で働く医師や看護師の子どもを預かる施設のこと。子育てと仕事が両立できるように設置されています。とくに9割以上が女性である看護師にとって、なくてはならないサービスです。
保育士にとっても、新しい職場として注目されています。
とは言っても、「どんな仕事をするの?」「メリットやデメリットを知りたい」と思うかもしれませんね。
そこでこの記事では、院内保育所での保育士の仕事内容についてご紹介。メリットやデメリット、お給料や必要な資格など気になる情報をたくさん紹介します。
ぜひ参考にしてくださいね。
目次
院内保育所とは
院内内保育所とは、病院の中や病院の近くに設置している認可外保育施設のこと。病院で働く医師や看護師の子どもを預かります。
院内保育所の目的は、子どもを育てながら働く職員が、安心して働けるようにすることです。病院が保育所を用意することで、出産後のお母さんも早く職場に復帰し、子どもが小さいうちから育児と仕事の両立を図ることができます。
とくに、病院で勤務する看護師は9割以上が女性。赤ちゃんを預かってくれる保育所がなければ、職場に復帰することができません。そうするとただでさえ不足している看護師がさらに不足してしまうため、病院も積極的に院内保育所を設置しています。
院内保育所はクリニックなど小さな病院では少なく、大きな病院に多いです。病院の大きさによって規模が異なるものの、基本的にクラスはありません。大きなスペースが取れないので、幅広い年齢の子どもをまとめて一部屋で保育します。一般の保育園と比べると、乳児の割合は多いです。
院内保育所と病児保育は違う
院内保育とよく間違われやすいのが「病児保育」というお仕事。名前だけ見ると「同じような仕事かな」と思いやすいですが、中身は全く違います。
病児保育とは、病気になった子どもを一時預かりで保育すること。保護者が仕事でどうしてもお世話できないときに、家や施設で看病します。院内保育所は、あくまでも病院で働く職員の子どもが対象なので、注意してくださいね。
病児保育について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
院内保育所の仕事内容
院内保育所は、運動会や発表会などのイベントが多くありません。
なぜなら、保護者の仕事がシフト制なので、子どもの顔ぶれも毎日違うからです。看護師や医師は交代で夜勤をします。病院によっては365日動いているところもあるので、休日も不定期です。
保護者が必ずみんな集まれる日がないと、イベントもなかなか行えませんよね。そのため、院内保育所で働く保育士の仕事は、子どもの受け入れ、お遊び、食事、お昼寝などの日常的な保育が中心です。
ただし、病院によっては24時間体制で動いているところもあるため、保育士もシフト制で働くことも。ときには、月に数回ほど夜勤をします。
夜勤のときは、次のようなシフトが一般的です。
求人を探すときは休日や勤務時間、シフトの時間帯などをしっかりと確認して、希望する働き方ができる職場を選びましょう。
院内保育所で勤務するメリットとデメリット
それでは、ここからは院内保育所で働く上でのメリットとデメリットを見ていきましょう。
院内保育所で勤務するメリット
院内保育所で働くときのメリットは次の2つです。
・体力的にも精神的にも楽
・保護者とすぐに連絡が取れる
院内保育所の1番のメリットは、勤務のしやすさです。運動会や発表会のような大きなイベントが少なく、求められる保育のレベルも高くありません。体力的にも精神的にも、一般の保育園に比べると楽です。
長期間のブランクがあり、ひさしぶりに保育の仕事に復帰するには勤務しやすい職場と言えるでしょう。
院内保育所で勤務するデメリット
一方、院内保育所で働くときのデメリットには、次のようなものがあります。
・シフト制なので、勤務時間も休日もバラバラ
・仕事とプライベートのバランスが難しい
院内保育所では、保護者のシフトに合うように保育士のシフトを組むため、勤務時間や勤務曜日が一定ではありません。月に4〜8回は夜勤するので、生活リズムを整えるのも大変。
仕事とプライベートのバランスが難しいのは院内保育所の1番のデメリットと言えるでしょう。
ただし、院内保育所は病院によってさまざま。必ずしも夜勤があるわけではありませんし、希望通りのシフトが組めるところもあります。
自分の希望に合う病院を見つけられたら、とても働きやすい職場ですよ。
院内保育所のお給料は?
院内保育所は、初任給でも一般の保育士より少し高めです。
院内保育園の保育士は平均で18万前後。とくに首都圏に近いほど、給料は増える傾向があります。
保育士の給料は全国平均で15万円ほどなので、比べてみても少し高めに設定されているのが分かるでしょう。
院内保育所に向いている人
院内保育所に向いているのは、次のようなタイプの人です。
・子どもの成長を心から喜べる人
・子どもだけでなく、保護者も支えたい人
・走り回る体力がない人
院内保育所の子どもたちは、大好きな保護者と長時間離れます。
すると初めての寝返りやタッチを、誰よりも早く保育士が見ることになるかもしれません。
働いている保護者の代わりに、しっかりと子どもの成長を我が子のように喜べる方が向いているでしょう。
また、保護者との距離も近いので、ときには子育てに悩む保護者の悩みの相談に乗ることもあります。子どもだけでなく、保護者を支えることにやりがいを感じる人も向いているでしょう。
院内保育所は小規模のところが多いので、保育士1人で見守る子どもも多くありません。夜勤も、子どもは勤務中寝ている時間が長いので、体力に自信がない方もオススメです。
院内保育所の求人はどれくらい?
院内保育所の求人は、保育園の求人よりも少ないのが特徴です。
厚生労働省によると、平成26年度の院内保育施設の数は2761ヶ所。それに対して、一般の保育園や子ども園の施設数が24425ヶ所と報告されています。院内保育所は保育園の9分の1ほどしかないのです。
そもそもの数が少ない上に、預かる子どもの数も少ないので、保育士の求人もかなり少ないと言えるでしょう。
ただし、近年は増加傾向にあります。このまま院内保育所が増えていけば、保育士の求人も増加し、もっとお仕事を探しやすくなるでしょう。
院内保育所で働くには?特別な資格はいるの?
院内保育所で働くには、保育士資格が必須です。ただし、病院内で勤務するものの、医療に関する仕事をするわけではないので、医療関係の資格やスキルは必要ではありません。
まずは、院内保育を行っている病院を探しましょう。
院内保育所の求人を探すときは、転職サイトを利用するのがオススメです。家から近いエリアに絞ってくれたり、就労形態を絞って求人を探せます。
こちらの記事で、オススメの転職サイトを紹介しているので、ぜひ確認してみてくださいね。
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まとめ
院内保育所の仕事内容や、メリットとデメリットについても紹介してきました。
院内保育所は、病院の看護師や医師の子どもを預かる保育所です。保護者が安心して仕事がするためのサービスなので、子どものお世話だけでなく、保護者を支える仕事でもあります。
病院によって、働き方や雰囲気も大きく違ってくるので、しっかり求人は選ぶようにしましょう。