「大好きな子どものために仕事ができる!」そんな思いを持って始めた保育士の仕事。しかし、だんだん夢と現実のギャップが見え始め、ストレスを感じてしまうかもしれませんね。
実は、ストレスは気づかないうちにたまっていくもの。体や心のサインを放置したままがんばり続けると、ある日突然爆発してしまいます。
そこでここでは、保育士が抱えやすいストレスや悩みを改めてご紹介。それぞれのストレスの対処法についても紹介していきます。
ぜひ自分の状態と合わせて読んでみてくださいね。
目次
保育士のストレスは、大きく分けると6つ!
まず保育士が抱えているストレスには、どんなものがあるか確認してきましょう。
保育士の悩みになりやすいのは、次の6つです。
- 職場での人間関係
- 仕事量の多さ
- 保護者への対応
- 保育園の方針と自分の価値観の不一致
- 給料がやすい
- 子どもとうまく接することができない
ここからは、それぞれのケースごとに対応策を見ていきましょう。
1.職場での人間関係
保育園は、女性が大半をしめる職場。そのため、女性特有の人間関係が悩みの種になることがあります。
お局様化した先輩職員にちょっとしたミスで強くしかられたり、同僚に人の悪口ばかり聞かされたり…他にも、ベテランの保育士が新人をいじめるなど「これが大人のすることなの?」というストレスがたまりやすいのです。
職場の人間関係は、保育士の退職理由のTOP3にも入っています。
1-2.職場での人間関係を良くする解決策
職場での人間関係を良くするためには、保育士のタイプごとに接し方を変えてみましょう。
例えば、お局様タイプの先輩保育士は、次の3つのポイントに注意して接するのが有効です。
- しっかり話を聞いて、丁寧に対応する
- 謙虚な姿勢でいる
- あえて積極的に関わっていく
お局様タイプの保育士は現場経験が長く、自分なりの保育方法を持っています。自分の方法に自信があるため、頼ってくれる相手のことを悪いようには思いません。
そのため、しっかり話を聞きつつ「教えてください!」「こんなことがあったんですが、先輩はどうしていますか?」と質問をしてみると、心を開いてもらいやすくなります。
他にも「ベテラン保育士の新人いじめ」や「ウワサや悪口が大好き」タイプなどに悩みを抱えている人は、保育士のタイプ別に接し方を変えるのが有効です。詳しく知りたい人は、こちらの記事に書いてあるので、参考にしてみてください。
2.仕事量の多さ
保育士は、一人当たりの仕事量がとても多いです。
とくに一人担任をしていると、子どもの相手をしながら事務作業も一人で仕上げなければいけません。事務仕事は、日案や週案、月案などの計画書類や日誌、子ども一人ひとりの連絡ノート、おたよりの作成など数多くあり、とてもハードです。
イベントが近づけば、衣装づくりや飾りつけも行います。定時にはとても間に合わないので、残業した後も家に仕事を持ち帰ることも。朝から晩まで休みなしで働けば、心と体も限界と感じてしまいますよね。
2-1.多い仕事をはやく片付ける解決策
今ある仕事の量でもはやく帰るには、まず残業時間を制限しましょう。
仕事が多い状況に慣れてしまうと、心のどこかで「家でやればいいか」と考えてしまいがち。そのままでは、はやく休むことはできません。
そこで、まずは自分で残業する日としない日を決めましょう。「水曜日は絶対に残業しない」「残業は遅くても19時まで」と具体的に決めることが大切です。目標が決まれば、「19時に帰るには、18時半から片付け作業に入ろう」と一つひとつの仕事を終わらせる目安もつきます。
「何時間残業しても変わらないしな…」という思考をはやく直すために、「残業しない」という意志を持つようにしましょう。
他にもスキマ時間を活用したり、効率よく仕事を進めることで、残業を減らすことができます。詳しくはこちらに載っているので、参考にしてみてください。
3.保護者への対応
職場内だけでなく、外にいる保護者との関係に悩んでいる保育士もたくさんいます。
保護者と信頼関係が結べないと、理不尽なクレームを言ってくることも。とくに新人の保育士だと「うちの子の担任、新人なの?」という不安から、強めに言ってしまう保護者もいます。
子どもを大切に思っている気持ちは同じだからこそ、強く反論できず、「なんでここまで言われなきゃいけないんだろう……」とストレスを感じやすいのです。
3-1.保護者と信頼関係をつくる方法
保護者と信頼関係を築くためには、とにかくコミュニケーションを大切にしましょう。
保護者は、子どもを保育園に預けているとき、「ケガしてないかな」「友達とケンカしてないかな」と心配でたまりません。
そこで、積極的に子どもの話をしてくれる保育士がいれば、「この先生は子どものことをよく見てくれてる!」と信頼しやすくなるのです。
そのためには、自分が愛情を持って子どもたちと接していることがわかるように、保護者に接したり、喧嘩や怪我などのトラブルは早めに報告することが大切です。
このように、コミュニケーションを工夫することで保護者との関係をよくすることができます。
コミュニケーションで気をつけるべきポイントは、こちらの記事に書いてあります。詳しく知りたい方は、チェックしてみてください。
4.保育園の方針と自分の価値観の不一致
保育園の方針と自分の価値観が合わないとき、保育士はストレスを感じてしまいます。
「子どもがのびのびと過ごせる保育園を目指しているはずなのに、必要最低限の経費も出ない…」「ダンスや歌も子どもに完璧に覚えさせるために、怒鳴りつけるなんておかしい…」など、働き始めてから本当の園の方針が見えることも。
「自分の保育理念がおかしいのかな?」と自分の心と園の方針の間に挟まれて、ストレスをためてしまうのです。
4-1.保育園の方針と自分の価値観が合わないときは、転職しよう
保育園の方針と自分の価値観が合わないときは、思い切って転職しましょう。
もちろん、「私が保育園を変えてみせる!」と働き続けるのも方法の一つです。しかし、ずっとその保育園にいても、おそらく保育園の方針は変わりません。ストレスをためこんでしまう前に、自分の保育観と合う保育園を探した方が、現実的です。
自分の価値観にあった保育園に転職したいときは、保育士専用の転職サイトを利用するといいでしょう。希望や要望で保育園をしぼり込めるので、探しやすくなります。サイトによっては、転職コンサルタントがサポートしてくれますよ。
オススメの転職サイトは、こちらで紹介しています。登録は無料なので、ぜひ気軽に試してみてくださいね。
5.給料がやすい
保育士の中には、給料が低くて悩んでいる人も多くいます。
厚生労働省によると、私立保育園で働く保育士の平均給料は約21万円。この金額から保険料などを引くと、平均16~18万円ほどしか給料として入ってきません。家賃の高い都会に住んでいる保育士や、家族を養わなくてはいけない保育士は、とても生活できない状態ですよね。
仕事の量の多さを考えても給料が少ないことから、保育士の退職理由No.1にもなっています。
5-1.給料を上げるには、お金について勉強しよう
給料を上げるためには、保育士自身がお金のことをしっかり勉強しましょう。
現在、国が補助金を出しているものの、何もしなければ今より金額が増えるのを待つだけの日々になってしまいます。
それよりも現実的なのは、保育士自身がお金に詳しくなることです。保育園の運営費や給料について勉強しましょう。
お金に詳しくなっておけば、あまりにも「給料が低いな…」と感じたとき、経営者にも堂々と質問できます。「お金に詳しい人はだませない…」と給料の改善も見込めるのです。
どれくらい安いのか、現場で働く保育士が発信していかないと、現状を変えることはできません。まずは今働いている保育園には毎月どれくらいお金が入ってくるのか、自分の給料は少なすぎないか、お金のことをしっかり勉強しましょう。
保育園の運営費や、保育園にお金が入ってくる仕組みを知りたい方は、こちらの記事で詳しく説明しています。参考にしてみてください。
6.子どもとうまく接することができない
「子どもが好き!」という理由で保育士になったのに、「子どもとうまく接することができない」という悩んでいる保育士はたくさんいます。「自分の子どもとは問題ないのに、他人の子どもになるとできない」など、プロとして保育に携わるのはなかなか難しいもの。
「あの先生の言うことは聞くのに、どうして私の言うことは聞いてくれないんだろう」「私は保育士に向いてないんじゃないか」と辞めてしまう人もいるほど根深い問題です。
6-1.子どもとうまく接するには、子どもの思いをくみ取ろう
子どもとうまく接するためは、まず子どもの思いをくみ取ることが大切です。
子どもが言うことを聞かないときは、大人の事情だけで考えてしまっていることが多いもの。例えば、「はやくお昼寝させなきゃいけないのに」「仕事がたまっているのに」など大人の事情で「はやくオモチャを片付けなさい!」と言われても、自分にメリットがなければ子どもは行動しにくいのです。
子どもも、ある程度は自分で意思決定できます。ただし、周りのことまで目は届きません。さらに、子どもは疲れていたり、眠くなると集中力がすぐ途切れてしまうもの。声をかけるだけだと、理解できないこともあります。
子どもは今どんな状況で、どんな気持ちなのか、想像しながら接してみましょう。
まとめ
保育士のストレスとその対処法について説明してきました。
保育士は人間関係がダイレクトに仕事に影響するため、とても気をつかう仕事です。一人当たりの仕事量も多く、疲れているのに休めない保育士も多くいます。
ストレスは気づかないうちにたまっていくもの。ストレスがたまっていくと、心の病気になってしまうこともあります。まずは、自分にはどんなストレスがかかっているのか、しっかり把握することが大切です。
子どものために自らを犠牲にしてしまうのは、本当の子どもの笑顔にはつながりません。保育士が健康で、笑顔で働いてこそ、子どもたちものびのびと成長できるのです。ぜひこの記事を参考にして、楽しい保育士ライフを送ってくださいね。