保護者は保育士のどんなところを見ているか?

幼い子供のキラキラした無邪気な笑顔や、覚えたての言葉をつなげて一生懸命お話してくれる姿って本当に癒されますよね。そんな大好きな子供たちの傍で保育士としてお仕事をしたいと夢見て努力されている方も多いと思います。

でも、ちょっと不安なのは保護者とのお付き合いの仕方・・・。そもそも、保護者は保育士のどんなところを見ているのでしょうか?

保護者のリアルな視点や言葉にはしない思いを知ることで、自分が何に気を配れば安心してもらえ、そして信頼されるのかが見えてくるはずです。保護者との関わりをより暖かいものにしたい方はぜひ参考にしてくださいね。

前向きに保育をしてくれる先生に預けたい

保護者が我が子を通わせる保育園を決める際、職場との距離や入園可能な時期などの都合を考慮するのは勿論ですが、園内見学や、入園のための面接をする際にはやはり保育士の態度もよく見られています。

入園前に保護者と保育士が関わるのは短い時間ではありますが、その中で保育に対する熱意や誇り・自信をあまりにも感じないと思われてしまうと、自分の子を預けるのを不安にさせてしまうかもしれません。

まずは子供たちにも保護者にも安心して保育園を利用してもらうことが保育士の使命であり、やりがいにも繋がりますよね。自分の中に、保育士を目指したいと思ったときの前向きな向上心があるかどうか、今一度見つめ直してみましょう。

勤務中の髪型


あまり保育士の規定が厳しくない園だと、保育士の髪型に気の緩みが出てしまうことがあります。
 ・前髪が目にかかっている
 ・顔周り(目の横)の髪が必要以上に長い

このような状態だと「保育よりも自分のお洒落を優先してるのかな」と不安に思われてしまいますし、不潔感もあり印象が良いとは言えません。何より視界が遮られることで子供たちの危険を見逃してしまう恐れもあります。

お預かりしている大切な命を守るためにも、自分のためのお洒落は勤務時間外に楽しみ、勤務中はシンプルに髪をまとめておきましょう。

明るい笑顔の先生がやっぱり安心

保健児童ソーシャルワーカーの女性
保育士という職業に限ったことではありませんが、やはり無愛想で暗い雰囲気の先生よりもにこにこ笑って明るい声で挨拶をしてくれる先生のほうが、子供も保護者も居心地良く感じます。

ただ保育士にもそれぞれ性格があるので無理をして元気な姿を演じろということではなく、しっかりと子供や保護者の目を見て相手を安心させてあげようという気持ちで接することが出来れば十分です。

子供を可愛がるだけでなく、愛情を持って叱ってくれているか


保育園は基本的に教育の場というよりも“保育”がメインとなりますが、子を預ける親からすると保育園へ通わせることは『社会へ出る第一歩』だという思いも少なからず持たれています。

大切な我が子が保育園へ通うことでお友達や先生と共同生活を送りながら時には喧嘩をし、仲直りをし、人間として一歩ずつ成長していく・・・そんな過程も見守って欲しいという願いが保護者にはあります。

大勢の子供たちを相手にする中で一人一人に寄り添うのは大変なことですが、子供同士で喧嘩になった際に保育士が単にその場を丸く収めるだけでなく、駄目なことは駄目だと愛情を持って子供を叱っているかどうか。

実はその点も保護者はしっかりと見たり感じたりしているのです。共に子育てをするパートナーとして、そして子育てのプロとして頼りにされているということも覚えておきましょう。

日誌の内容も重要


保育園と保護者の交換日記のような存在でもある日誌。現代ではスマートフォンの便利なアプリを使い情報交換を完結させる園もありますね。また、保育園の規模によっては毎日のやりとりではなく週に一度、子供の様子を伝え合うというところもあります。

日誌の内容は、体調面や食べたご飯の量なども勿論重要な項目ですが、それらと同じくらい大事なのが保育園での子供の様子です。ではちょっと、保護者の気持ちになって以下の文章を読んでみてください。

『○○公園へ歩いて行き、△△君と元気にお砂場でお山を作って楽しみました。お昼ごはんは苦手な人参を頑張って一口だけ食べていましたよ♪』
『○○公園へ歩いて行き、△△君に「おやま作ろう!」と自分から声をかけ一緒にお砂遊びで盛り上がっていました。お昼ごはんは「人参食べない」と最初は泣いていましたが「元気のもとなんだよ」と保育士がお話すると、涙を自分で拭いて一口だけ食べていましたよ♪』

いかがでしょうか。どちらが心あたたまる内容かはすぐに分かっていただけると思います。

保育士の子供への愛情を感じる日誌は、保護者にとって子供の様子が詳しく知れることが有難いだけでなく「あぁこの先生は我が子のふとした表情の変化も気づいてくれているんだな、任せて良かった」と保育士に対する感謝の気持ちも改めて感じるものなのです。

子供たちのほんの些細なエピソードも、親にとっては宝物です。ぜひ、日誌や口頭で保護者に伝えてみましょう。

保育士同士の関係性も、保護者は見ている


保護者と挨拶・会話をするときは笑顔で丁寧に接するよう心がけているから私は大丈夫だと思っている方にも、伝えておきたいことがあります。

繰り返しますが、保護者にとって保育園は大切な我が子を預けている場所。なので人によっては環境の隅々までチェックをしています。そして保育士の言動もしっかりと観察しているものです。

例えば同僚に対しての口調や、園内の片付けをする姿なども、逃さず見られていると思っておいたほうが良いでしょう。

それでクレームを言ってくるような保護者は少ないですが、心の中で「あの先生はなんとなく不安だな・・」と思われたまま関わっていくのはこちらも悲しいですよね。見られていないだろうと気を抜かず、普段から誰にでも愛情を持って接することができるよう心がけていきましょう。

通勤中にすれ違うことも


通勤途中、つい歩きスマホをしていませんか?また、車で通勤する際も最低限のマナーに気を配れているでしょうか。

保育園に子供を預ける保護者も、保育士と同じ時間帯に徒歩や自転車・車で移動をしています。そのタイミングですれ違うことは全く珍しいことではなく、むしろ少なくとも保護者の一人とは出勤前や退勤後にも道端で挨拶を交わすと思っておいて良いでしょう。

そんなとき、あなたがスマホに目を落としたまま歩いていたら・・・あまり印象が良くないですよね。

勤務時間外なのだから自由にさせて!という思いもよく分かるのですが、保護者の信用を少しずつ失っていってからでは取り返すほうが難しいのです。移動中も最低限のマナーやルールを守って行動していきましょう。

とはいえ、保育士だって人間


ここまで、保育士が見逃しがちな保護者の視点を紹介しました。自分も気をつけなくてはいけないなと気が引き締まった項目もあったのではないでしょうか。

とは言っても・・・保育士だって人間ですよね。何でもかんでも完璧にこなせる訳ではないし、精神面だっていつでもベストな状態とは限りません。大勢の子供たちと一緒に過ごしながら上司の指示も守りつつ、時には保護者からの厳しい意見にも対応して、決して楽しいことばかりではない仕事です。

では、そんな大変な仕事をこなす中で、保護者に安心して子供たちを預けてもらうために一番大切なことは何でしょう?

『この先生は、子供が大好きなんだな』

“子供の笑顔や泣き顔が大好き。まっすぐ頑張って、まっすぐ失敗して、子供たちがひとつずつ成長していく時間を一緒に過ごせることが嬉しい。”

その気持ちは、保護者に届いています。子供に対して愛情を持ってくれている保育士には保護者は安心して保育を任せることができます。不器用でも大丈夫です。子供と一緒に、まっすぐ物事に向き合ってくれる保育士を、保護者は信頼しています。

身だしなみや笑顔、ルールやマナー、これらも子供を想う気持ちがあるならきっと前向きに取り組むことが出来るはずです。頑張ってくださいね。

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