企業内保育所で働く保育士の仕事内容

企業内保育所とは、会社が社員の子どもを預かるサービスのこと。女性が活躍する会社を中心として、だんだん取り入れる会社が増えてきました。保育士にとっても、新しい働く場として注目が集まっています。

とは言っても「どんな仕事をするの?」「お給料はどれくらい?」「就職する前に、メリットやデメリットを知りたい!」と思うかもしれませんね。

そこでこの記事では、企業内保育所での保育士の仕事内容についてご紹介。メリットやデメリット、お給料など気になる情報をたくさん紹介します。ぜひ、参考にしてくださいね。

企業内保育所とは

会社に来て子どもを保育士に預ける母親
企業内保育所とは、会社が社員の子どもを対象に、会社の中または近くの土地に設置する保育施設のことです。

小さな子どもを育てながら働く社員が、安心して働けるようにすることを目的としています。

出産後の女性や育休明けの女性も、早く職場に復帰できるため、「子どもが小さいうちから、育児と仕事が両立できる!」とニーズが高くなっています。

主に女性が活躍している会社で設置しているのがポイント。例えば、「資生堂」のような化粧品メーカー、「サマンサタバタ」のような女性向けファッションブランド、「ロート製薬」や「武田薬品」のような医薬品メーカーなどで設置されています。ヤクルトも有名ですね。

認可の企業内保育も増えている

企業内保育所の展望について説明する女性
企業内保育所は会社が運営しているので、基本的に認可外保育施設になります。しかし、2015年から認可施設の企業内保育所も増えてきているのです。

認可施設になると、自治体から補助金がもらえます。そのため、認可にする会社も増えているのです。
ただし認可施設の企業内保育所では、社員の子どもだけでなく、地域の子どもも預かることになります。

厚生労働省によると、企業内保育所は平成27年度で認可外施設が4561、認可施設が323と報告されています。前年度と比べて、認可外施設は32施設減少しているものの、認可施設は2倍以上の伸び率に。

企業内保育のニーズの高さが分かりますね。

企業内保育所の仕事内容

子どもと遊ぶ企業内保育所の保育士
企業内保育所では、運動会や発表会のような行事は基本的にありません。

なぜなら、保護者と保育士が同じ会社で働いているからです。保育園では、基本的に保護者がお休みの日に大きなイベントをします。でないと、保護者は参加できないですよね。

また、保育所のスペースが限られていたり、保育士の数も少ないことから、大きな行事は行わない施設がほとんど。

ただし、七夕やクリスマスのような季節ごとの行事はあります。独立した保育園に比べると規模は小さく、こじんまりとした雰囲気と思って良いでしょう。

このため、保育士の仕事内容は、子どもの受け入れ、お遊び、昼食、お昼寝など日常的な保育が中心です。

ただし夜勤がある会社では、夜間保育をする保育所もあります。そういうところでは、子どもに夕飯を食べさせ、寝かしつけることが仕事です。

企業内保育所で勤務するメリットとデメリット

企業内保育所のメリットとデメリットについて疑問をもつ女性
ここからは、企業内保育所で働くときのメリットとデメリットを見ていきましょう。

メリット

企業内保育所では次のようなメリットがあります。

・行事が少ないので、残業時間は少なめ
・一人ひとりの子どもに深く関われる
・1日の労働時間が事前に決められている
・有給休暇がとりやすい

一般的な保育園では、運動会やクリスマス会、発表会などイベントの前は、打ち合わせや準備で忙しくなるもの。中には、夜遅くまで残って仕事をするということもあります。しかし、イベントが少ない企業内保育所では残業があまりありません。

また、企業内保育所を設置している会社は、労働環境がしっかりしているところがほとんど。1日の労働時間や残業時間は事前に決められており、大きく越えるようなことはありません。

一般的な保育園にはない、「きっちり感」が企業内保育所の一番のメリットと言えるでしょう。

デメリット

一方で、企業内保育所には次のようなデメリットもあります。

・1人当たりの仕事量が多くなる可能性も
・保育スペースや設備が十分ではないことも

企業内保育所は、認可外保育施設のところも多いです。認可外保育施設には、子どもの人数に対する保育士の人数に規定がありません。すると、会社によっては1人で対応する子どもの数が多くなるため、仕事もその分増えることも。

また、企業内保育所は小さなスペースで運営しているケースが多いです。すると、一般的な保育園に比べたら設備が不十分な会社もあります。

しかし、限られた設備で子どもたちを楽しませる工夫を考えるのは、保育士の腕の見せ所。遊びやイベントなど、楽しむアイデアを考えるのはけっこう楽しいものです。

自分でアイデアを出すのが好きな人にとって、やりがいを感じるところかもしれませんね。

企業内保育所のお給料は?

企業内保育所で働いてお給料が入って笑顔を浮かべる女性保育士
企業内保育所で働く保育士のお給料は、基本的に少し高めです。

例えば、大手の会社では185,000円~210,000円ほど。高いところでは、240,000円~250,000円で応募している会社もあります。

正社員になれば、賞与がでるケースも多いので、一般的な私立保育園よりも高収入でしょう。

ただし、会社の大きさによってお給料は変わってくるので、しっかり求人を確認してくださいね。

企業内保育所に向いている人

一人の赤ちゃんと笑顔で向き合っている保育士
企業内保育所に向いているのは、次のような人です。

・時間内にしっかり仕事を終わらせられる人
・子育てをしている人
・体力に自信がない人
・子ども一人ひとりとじっくり向き合いたい人
・保護者対応が苦手な人

企業内保育所は、残業も少なく、労働時間も限られています。そのため、短いからといって気を抜かず、時間内でしっかり責任を持って子どものお世話ができる方に向いています。また、今子育てをしている方にも働きやすい環境です。

保育スペースもせまく、子どもの数も少なめなので、体力がない人や子ども一人ひとりにしっかり向き合いたい方に向いているでしょう。

一般的な保育園よりも保護者と関わる時間が短いため、保護者対応が苦手な人にも働きやすい職場です。

企業内保育所で働くには?

企業内保育所で働く貯めに面接を受けている女性保育士
企業内保育所で働くには、企業内保育を行なっている会社に面接に行きましょう。

そのためにはまず、近所の会社や気になる会社を調べることが大切です。働く形は 正社員だけでなく、契約社員や派遣社員などさまざま。自分の生活スタイルにあった働き方ができるかどうか、しっかり確かめましょう。他にも転職サイトで検索するのも方法の一つです。

こちらの記事で、オススメの転職サイトをまとめているので、ぜひ見てみてください。

特別な資格はいるの?

企業内保育所で働くには、保育士資格が必要です。ただし、会社によっては、「小さい子どもとの触れ合いに慣れている人」と資格が問われないこともあります。

まずは求人を見て確認してみましょう。

まとめ

お絵かきをしている一人の子どもを見守る保育士
企業内保育所の仕事内容や、メリットとデメリットについて紹介してきました。

企業内保育所では、スペースが小さく大きなイベントがないところが特徴です。ただし、会社によって雰囲気は変わってくるので、しっかり働き方を確認し、園の見学に行きましょう。

ぜひこの記事を参考にして、素敵な保育士ライフを送ってくださいね。

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